村崎百郎
年末に買った本
- 作者: アスペクト
- 出版社/メーカー: アスペクト
- 発売日: 2010/11/25
- メディア: 単行本
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村崎さんの創作「パープルナイト」だけは未読。
鬼畜ブームの96年頃。
「人生解毒墓場」と「鬼畜のススメ」を友人に借りたけれど
「鬼畜のススメ」は当時こわくて読めなかった。
いま、猛烈に読みたいが、一万円とは・・・。
とくに雑誌「imago」に書かれた文がひじょうに心にドスンとくる。
他人から「良い人」に見られたい、他人から誉められたい、他人から尊敬されたい、他人に馬鹿にされたくない……そんな心がびくびくした優等生的思考と行動を生み、病んだ心を育ててしまうのだ。
と書きながら、
かくいう俺も昔はある程度他人の目を気にしていきてきたが、
と読者の視点にスッとおりてきて、ただ上から目線で見るのでなく、さりげなくいつの間にか、読者に近づいて寄り添ってきてくれる。村崎さんの文章はそこが魅力だなぁ。
自分の行動を制約しなければならないほど他人の目を気にする根拠も必要もどこにもないことに気がついて愕然としたものだ。
そうなんです。他人から「いい子」と思われたいけど、その「他人」という妖怪(村崎氏は「幽霊」と表現)のようなものが黒く、大きなものに、自分の目には写ってしまって。
でもそんな「よくわからないもの」はない、と「気がつ」かないとその妖怪(幽霊)の恐怖からは逃れられないんだろうな。
それも自分で「気がつく」体験をしないとだめなんだろうな。
いいんだよ、他人なんか傷つけたってさ。向こうも傷つきたくなけりゃ必死で抵抗するだろう。闘争はいつだって生存の条件だ。
それよりも自分自身の欲望に徹底的に向き合って、自分が本当に何をやりたいのか考えてみろよ。全てのつまらん見栄と体裁を取り去ったところできみが欲望するのは一体何なのか、ゆっくりと考えてみろ。そしていつかそれが何か分かったら、手段を選ばずなりふりかまわずそれを目指せよ。(ただし常に自分をとりまく包括的な全体を考えながらね)。
最後の()の言葉からわかるよう、「独りよがりでなく、他人から見た自分も想像して、見渡してから、やりたいことを行動しようね」と村崎さんの文章には優しさがひそんでいます。
京極夏彦の「ダ・ヴィンチ」特集号に寄稿している文章でも同じような内容の文を寄せられていたもよう。(「村崎百郎の本」の京極夏彦インタビューの脚注によれば)
図書館で探さねば!
きっと村崎さんは誰もが持ってる、「自分のなかのもう一人の自分(自分の本能的部分というか非社会的な自分?)」の「やりたいこと」を「ゆっくり」 でいいから、必死になって見つけようよ、と、ご自分へも、読者へも問いかけていたのでしょう。
「誰の中にもキチガイ(村崎百郎)は存在する。」
「安定のために薬を飲むより、苦痛を感じながらでも思考していたいと願う」(要約)
とも書かれています。
なにかわからない不安なものに、「精神病」と名前をつけて、安心させている自分がいます。
わたし自身も、病名に頼ってすがって、「病んでる」の一言ですましてしまう。
でもそんな自分のこころのなかの「黒い箱」にフタをせずに、苦しくてもそれを受け入れ、受け止め、「考えること」を選ぶ強さを持とう!という村崎さんの姿勢は、今でも褪せてないし、今だから響いてきます。
ドラマ「すいか」で絆さんが「自分のやりたいことくらい、死ぬ気で考えて探しなさいよ!」と男子に怒るセリフがあり、迷いが生じたときによく思い出すセリフだけど。
村崎さんも 同じことを言ってたんだなぁ。
DOMMUNE 初
ドミューンって何?状態からナタリーの記事を読んで初ドミューン。
昨晩28日はジェフ・ミルズがDJ。
テクノにはまっていた94年から96年に電気のオールナイトニッポン
や野田努のテクノ解説本を読んだり雑誌「remix」を読んで
名前だけは知っていた人。
実際の音楽は(DJは)脳みそがキュウキュウする、別世界へ持っていかれる音楽でした。
でも一番驚いたのはツイッターで同時刻にどんどんコメントがあがること。
ツイッターはよく分からないけど、地デジで「参加型テレビを目指しています」とか言ってるテレビ業界や業界人より、ネットですぐに意見が言えるこのツイッターを利用する国民の真情が正しいなぁ、と思った。
反応の遅い地デジテレビのリモコンより、ネットのほうが使いやすい。
でもより 「誰かとつながっていたい」という感情が熱くなって
精神衛生上あまりよくなさそうだなぁ…。
でも今(「なう」とツイッターではよく使うみたいだけど)すぐに
見ているものへのコメントしたい、誰かと意見を交流させたい、
話したいという欲求に私自身も駆られて。
そういう状況をジェフ・ミルズはくれました。
ニコ生放送やドミューンやラジオのような、「何が起きるかわからない」というハプニングを待っている、期待している自分がいる。
映画 『我が至上の愛 アストレとゼスラン』
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2009/09/26
- メディア: DVD
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E・ロメールの遺作。
公開時に観たいなぁ、と思ってDVD化(レンタル)されるのを待っていたけれど、レンタル屋でみないので、映画館で先々週観た。
あらすじは
アストレ(女)とセラドン(男)は恋人同士。
でも行き違いからセラドンは入水自殺をするも
どこかの国のお姫様に見初められて、軟禁される。
軟禁から脱出したセラドンはアストレに会おうにも会えず、
野宿生活をすることに…。
機会があり、アストレと出会うセラドンは…?!
ざっくりしたストーリーは上記のような感じ。
映画館の発行のペーパーに作家の大島真寿美さんがロメールについて書いているのだけれど、大島さんによると
ロメールの登場人物は「思い込み」の人
とのこと。
セラドンが自殺をした事に涙しないアストレを「冷たい人間」となじるセラドンの兄。
べつに 泣かない強さもあるだろうに…。と思いましたが。
ラストでアストレとセラドンは思わぬ形で再会するけど
『アストレ、なんで愛した男が間近にいるのに気づかないのー?』
と観ながらツッコミをいれずには観ていられない、登場人物にオイオイ!と言いたくなる映画でした。
何も考えずに気楽に観れる映画で、観た後「おおざっぱに生きるほうが幸せだろうなぁ」と思いました。
神聖かまってちゃん
4月から 神聖かまってちゃん中毒。
ニコニコ動画に以前 の子 が配信していた動画も誰かがアップしてくださるので、
かまってちゃん動画が尽きないし、何度も同じ動画を見てしまう。
(お父さんが乱入する会とたけのこ配信)
ニコニコ動画のコメントが以前はうっとうしかったけれど、
知らない誰かも「同じ動画をみて同じことを思ったんだなー」という共有性に
親しみを感じてしまう。
- アーティスト: 神聖かまってちゃん
- 出版社/メーカー: SPACE SHOWER MUSIC
- 発売日: 2010/03/10
- メディア: CD
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アルバム収録曲では「ぺんてる」がじわじわと好きになってヘビロテ中。
日々 もう3月…
2月は病気の月だった
乳がんは心配することもなく、夏にまた検査を。
風邪をひき、咳ぜんそく じゃない?とお医者に言われ、
吸入すれとすぐにラクになった。
次は目が痛くなり、眼科通い。
湯たんぽ で低温やけどをし、皮膚科へ。痕が足にできてしまった。
と病気のオンパレードと決算期の気ぜわしさの中、
大阪まで「井上雄彦・最後のマンガ展」を観に行った。
大阪の軽食屋で店員に毒づかれて、おののいたり、
水族館でクラゲの写真を撮ったり、
くいだおれ横丁でたこ焼きを食したり。
今日は待ち時間に入った本屋で
茨木のり子 という人の詩集を手にとったら、とても良く、
立ち読みしていたら、気持ちがスッと楽になり、涙が浮かんだ。
「自分の感受性くらい」という詩は教科書で読んだことがあるようで
(記憶はどんどん忘却されていくので)
バチーンと心にパンチが入った。
自分のことを棚にあげて
他人の批判ばかりしている自分への
戒めであり、優しい言葉でもあり。
少しずつでも集めてみよう、と思った。
- 作者: 茨木のり子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/11/25
- メディア: 単行本
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映画 「THEE MOVIE LAST HEVEN」ミッシェル・ガン・エレファント
ミッシェルの大ファンではないので、ラストライブのDVDも観たことがなかった分、楽しめた。
最初は「このまま既存のライブをみるのかなー?」と思っていたら、
時おり短く挟まれるドキュメンタリー部分でハッとしたり、
ミッシェルというバンドのすごさを痛感。
解散でそのライブを聴けない、体感できない、ということが悔しくなった。
映画後半はライブをみている気持ちになって、ライブでお客さんが歌うように一緒に歌いたくなったし、
そりゃ、こんだけ「音」が気持ちいいバンドのライブに行ったら、ヘッドバンギングしたくなるだろな、と。
ただ観ている間は滂沱の涙。
アベがどう、とかではなく、ミッシェルの演奏のすごさに圧倒されたのと、
もう再結成しない切なさで胸がいっぱいに。
3人でも再結成できる…じゃない?と思っていたけど、アベの存在がいかに大きいか、
今さらながらわかりました。
でも正直、もっとドキュメンタリーな部分をみたかった。
編集でカットされている、ということはそのMCのあったライブの映像もあるんだろうし。
実際YOU TUBE にあがっている映像もあったし…。
DVDで発売されているものを、少しだけドラマティックに加工したものだけど、
でも爆音でライブを聴けるので、多少画像が悪くても、もう一回観に行きたい。
この映画を観たらアベの死を実感できるのかな、と思ったけれど、やっぱりまだ実感できない。