映画 ルキノ・ヴィスコンティ『イノセント』

無性に映画が観たい。
がこういう日に限ってCATVも観たい映画を放送していない。

以前購入したヴィスコンティDVD−BOX2のなかで未見の
『イノセント』を観る。

ストーリーは

19世紀末ローマで裕福な貴族トゥリオは、多くの女性と浮名を
流している。彼には公爵夫人テレーザという蠱惑的な愛人がいる。
ふとしたことでトゥリオは、貞淑な妻ジュリアーナの不倫に気づき、
狂おしいまでの嫉妬と情熱の虜となる…

(DVDパッケージより引用)

もう、この主人公トゥリオのエゴイストっぷりに、イライラする。

自分は浮気をしておいて、妻に「君は妹のような存在」とか

愛人テレーザに振り回されている自分を制止してくれ、と妻に

お願いしたり、もうお前さんは何様?と最初はその亭主関白っぷり

にイライラするが、妻のジュリアーナが不倫し、不義の子を

妊娠したあたりから、「メロドラマみたいだな」と思いながらも

「次はどうなるのー?」と最後まで観てしまった。


特にトゥリオ役のジャンカルロ・ジャンニーニの、目に魅きこまれた。

嫉妬の目、屈辱に耐える目。涙にぬれる目。


ヴィスコンティは男優の「力強い瞳」を多く撮っているように感じる。

ヴィスコンティ作品を全て観ているわけではないが、印象に残っている

シーンは男優の瞳だ。それしか覚えていないくらいに。

どうしてこの作品のタイトルは『イノセント』なのか考えたがわからない。

貞淑な妻ジュリアーナのことを指しているのか、

主人公トゥリオの最期を指しているのか。