映画 園子温『紀子の食卓』
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2007/02/23
- メディア: DVD
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借りてきたDVD。
園子温監督作品は、いつも「みようかな」と思いながら
「なんだか重そうだな」と観ずにいた監督。
去年「時効警察」で園監督の演出した回をみて、
「あら面白そう」と思ったのと、吹石一恵が主演、ということ
もあって借りてみた。
うーん。感想は
- 長かった
- 映画の主題が思ったより 重かった…
とけっこう疲れてしまった。
紀子が咄嗟にとった「家出」という行動から、一家が崩れていってしまう。
生きていくことはその場に応じて役割を演じて生きている。
家族の中では「娘」という役割を。
学校や会社での自分と、友達といるときの自分もまた違う役割を
演じている。
みんな演じることに疲れているのに、演じてしまう。
紀子はただ田舎や家族が嫌だから、ということで上京するけれど、
そこで出会ったクミコとする仕事は皮肉にもレンタル家族
の仕事。
ただそこで演じられる「嘘の家族像」に憧れたりしてしまう。
作中くりかえされる「あなたはあなたと関係していますか?」
という言葉。
自分ときちんと関係する、ってどういう状態をさすのか?
と自問自答するも、わからず。
ユカがラストで泣きながらしゃべる「みんな楽になりたいだけなのに」
という言葉。
そう、楽になりたいのに、与えられた役割を演じていかないと、
成り立たない世の中。
ラストは家族が再生しているかのようにみえるが
演じている紀子をみて、一人こっそり出て行くユカ。
そして朝、隣のベッドにユカがいないのに気づき、
涙を流す紀子。ただナレーションで「私は紀子」
というセリフで終わっているので、紀子は紀子にもどり、
ユカは誰でもない、新たな自分になろうと坂道を降りていく。
とにかくいろんなことを考えさせてくれる作品です。